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2026年5月23日
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ラボ
LAB/RESEARCH/ARENA — 名古屋DD
アリーナ戦略名古屋DD観客動員Bプレミア2026.05.22

IGアリーナ開業で10,281人

名古屋ダイヤモンドドルフィンズとBリーグ最大アリーナの全貌

2025-26 平均来場者数
10,281
前年比 +92.1%
アリーナ収容人数
15,000
スタンディング最大17,000人
総事業費
約400億円
PFI BTコンセッション方式

2025-26シーズン、名古屋ダイヤモンドドルフィンズは平均10,281人を動員しB1全体トップに立った。前年(ドルフィンズアリーナ時代:5,353人)の約2倍。その原動力は、同年7月に開業した愛知国際アリーナ、通称IGアリーナだ。総事業費約400億円・収容15,000席のBリーグ最大アリーナは、クラブの集客力をどう変えたのか。

愛知国際アリーナとは

正式名称愛知国際アリーナ(IG証券によるネーミングライツ:IGアリーナ)
所在地愛知県名古屋市北区名城公園内
収容人数固定座席15,000席・スタンディング最大17,000人
開業2025年7月13日(こけら落とし:大相撲七月場所)
総事業費約400億円(愛知県・SPC各約200億円)
事業手法PFI「BTコンセッション方式」(Build-Transfer + 30年コンセッション)
設計前田建設工業・隈研吾建築都市設計事務所・大建設計(JV)
施工前田建設工業
命名権IG証券(英国IGグループ)・10年契約・日本最大級の命名権料

隈研吾が手がけた「樹形アーチ」

外観デザインを手がけたのは建築家・隈研吾。名城公園という緑地に隣接する立地を活かし、樹木の枝を模した木質アーチを外周に配したデザインが特徴だ。ハイブリッドオーバル型の構造により、スポーツ観戦時のオーバル配置とコンサート時の馬蹄形配置を両立する。

SPCの株式会社愛知国際アリーナには、前田建設工業・NTTドコモ・米大型興行運営会社のAnschutz Sports Holdings・三井住友ファイナンス&リース・東急・中部日本放送・日本政策投資銀行などが参加。米国の大型アリーナ運営ノウハウを持つAEGグループが関与しているのが国内他施設との大きな差だ。

「IGアリーナ」— 英国金融グループが選んだ理由

命名権を取得したのはIG証券、英国本社のIGグループ(ロンドン証券取引所上場)の日本法人だ。CFD・FX・株式取引を提供するオンライン証券で、2024年2月に10年契約を発表。契約金額は非公表だが、愛知国際アリーナ社長が「日本最大、アジア最大級」と明言した超高額案件とされる。

金融業界が大型アリーナの命名権を取得する例はNBAでも一般的(American Airlines Arena、Crypto.com Arenaなど)だが、日本では異例の規模感だ。日本・アジア市場でのブランド認知向上を狙うIGグループの戦略と、愛知県・名古屋市の集客力への期待が一致した。

ドルフィンズアリーナからの卒業

〜2018年
愛知県体育館
1964年竣工の旧施設
〜4,000席
2018〜2025年
ドルフィンズアリーナ(命名権)
クラブ自身が命名権を保有
約5,200席
2025年7月〜
IGアリーナ(愛知国際アリーナ)
Bリーグ最大。前年比+92%達成
15,000席

名古屋DDの前身は1950年創部の三菱電機名古屋製作所バスケ部。「メルコドルフィンズ」「三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ」を経て2016年Bリーグ開幕時に現名称に。本拠地の収容人数は7年間で約3倍になった。

平均10,281人(稼働率約68%)の意味

収容15,000席に対して平均10,281人は稼働率約68%。日本のバスケ会場としては異次元の数字だが、NBA平均(約9割前後)と比べると「まだ伸びしろがある」とも言える。クラブは「満員プロジェクト」を掲げシーズンチケット販売を強化。CSプレーオフ出場決定戦では12,000人超を動員した。

座席構成は、スイートルーム40室(個室)・プレミアムラウンジBOX・2〜4階スタンドを含むVIPシート群が充実。プレミアムシートの単価は通常席の数倍に及び、チケット収入の構造がドルフィンズアリーナ時代から大きく変わった。収容が3倍になれば単純にチケット収入も3倍にはならないが、高価格帯の座席比率が上がることで収益効率は大幅に改善する。

Bプレミア時代の名古屋DD

Bプレミア参入基準(4,000人・12億円・5,000席)を余裕でクリアした名古屋DDは、2026-27シーズンから15,000席の本拠地を持つ「大型興行クラブ」として新リーグに参入する。課題は稼働率の向上だ。B.LEAGUE最大キャパで平均10,281人はトップだが、IGアリーナを満席近くで運営できれば収益構造は桁違いに変わる。アリーナが「動員上限」から「動員目標」になった今、名古屋DDが示すのはBリーグの新しい経営モデルだ。

決算スナップショット

本記事のデータは 2024-25シーズン決算 に基づきます(執筆時点の最新公開データ)。 急成長クラブが多いBリーグでは1シーズン分の変化が大きい場合があります。
出典:B.LEAGUE マーケティングレポート 2025-26シーズン(2026-05-21)、愛知国際アリーナ公式、日経・Business Insider Japan各報道