YKK AP ARENA改修と制裁の間で
富山グラウジーズ — 2,501人まで落ちた動員の構造
2025-26シーズン、富山グラウジーズの平均来場者数は2,501人まで落ち込んだ。前年比-27.9%、B1最低水準だ。原因は明確で、ホームアリーナの富山市総合体育館が2025年8月から改修工事に入り、代替会場での分散開催を余儀なくされた。さらに前シーズンの3,469人で既に制裁金2,500万円を科されており、二重の苦境に立たされている。
YKK AP ARENA — 改修の全貌
「YKK AP」は窓・サッシ・ドアを手がけるYKKグループの建材メーカーで、本社は東京だが北陸支社を持つ。命名権取得は地域企業としてのスポーツ・文化支援の側面もある。
動員推移と制裁の関係
制裁の構造 — クラブに非がない場合でも降格リスク
富山の制裁(罰金2,500万円)は2025年10月、2027-28シーズンライセンス更新審査で科されたもの。制裁の条件は「3シーズン連続で平均入場者数基準未達」の場合に降格。富山はまだ初回(2024-25が1期目)で降格には非該当だが、2025-26の2,501人が2期目として記録される。
問題は2025-26の急落がアリーナ改修という構造的要因によるものであり、クラブの集客努力の問題ではないという点だ。Bリーグのライセンス規程はこうした「工事中の特例」を明示的には定めておらず、改修完成後(2026年10月)に動員が回復するかどうかが、Bプレミア継続の鍵となる。
2026年秋:再起動のシナリオ
2026年10月に改修完成・YKK AP ARENA開業を迎える富山は、5,000席の刷新されたアリーナで動員回復を目指す。改修前の4,650席では2023-24に4,180人を達成できていた実績がある。新座席・スイートルーム・大型ビジョンという設備向上が、単価と動員の両方を押し上げれば、Bプレミア基準4,000人は射程に入る。2026-27シーズンから始まるBプレミアでの本拠地デビューが、富山の集客力の真価を問う場になる。
本記事のデータは 2024-25シーズン決算 に基づきます(執筆時点の最新公開データ)。 急成長クラブが多いBリーグでは1シーズン分の変化が大きい場合があります。
出典:B.LEAGUE マーケティングレポート 2025-26シーズン(2026-05-21)、YKK APプレスリリース、スポーツ庁資料、バスケットボールキング