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LAB/RESEARCH/PROFITABILITY 2024-25
財務分析クラブ経営収益性決算2026.05

Bリーグ 黒字・赤字クラブの全貌 2024-25

B1全24クラブの営業利益・純利益を決算データで完全解析

約5分で読了
SUMMARYこの記事のポイント
  • 01最高利益率は島根スサノオマジックの14.6%——売上21億の中規模クラブが収益性トップの逆説、「大きく稼ぐより賢く稼ぐ」モデルの成功例
  • 02長崎ヴェルカは営業損失-7.3億だが純利益はほぼゼロ——7億超の営業外収益がアリーナ投資の先行費用を補填した構造的背景を解読
  • 03Bプレミアキャップ(8億円)導入後、11超過クラブが人件費削減を迫られ、理論上の利益改善幅を試算して提示
決算スナップショット

本記事のデータは 2024-25シーズン決算 に基づきます(執筆時点の最新公開データ)。 急成長クラブが多いBリーグでは1シーズン分の変化が大きい場合があります。
2025-26シーズン決算公開後(2026年秋頃予定)に更新予定

2024-25シーズン(2025年11月公表)の決算データで、B1全24クラブの収益性を解析した。営業黒字クラブは15社、赤字は8社。リーグ全体の営業利益合計は10.5億円の黒字だが、その中身は極めて二極化している。

最高利益率は島根スサノオマジック(14.6%)。売上規模では中堅でありながら高い収益性を誇る。一方で最大の注目は長崎ヴェルカの営業損失-7.3億円だ。売上16.4億に対して44.5%もの損失率という数字には、新アリーナ投資という構造的背景がある。

3シーズンの財務トレンド

2022-23シーズンはコロナ禍明けにもかかわらず多くのクラブが赤字だった。翌2023-24に劇的な改善が起き、リーグ全体純利益は+11.6億に達した。しかし2024-25では赤字クラブが増加している。これはBプレミアを見据えたアリーナ・設備投資が先行費用として計上されたためと考えられる。

2022-23
-8.3億
リーグ純利益合計
赤字クラブ 20社(全体)
2023-24
+11.6億
リーグ純利益合計
赤字クラブ 5社(全体)
2024-25
+8.8億
リーグ純利益合計
赤字クラブ 15社(全体)

全クラブ 営業利益(2024-25)

中央の縦線がゼロ。右が黒字、左が赤字。

← 赤字0黒字 →
千葉ジェッツ
+4.9億
琉球ゴールデンキングス
+4.6億
島根スサノオマジック
+3.1億
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
+2.2億
宇都宮ブレックス
+1.8億
三遠ネオフェニックス
+1.7億
群馬クレインサンダーズ
+1.4億
横浜ビー・コルセアーズ
+1.3億
仙台89ERS
+0.5億
サンロッカーズ渋谷
+0.3億
越谷アルファーズ
+0.3億
秋田ノーザンハピネッツ
+0.2億
京都ハンナリーズ
+0.2億
佐賀バルーナーズ
+0.1億
レバンガ北海道
+0.1億
アルバルク東京
0.0億
シーホース三河
-0.4億
広島ドラゴンフライズ
-0.4億
滋賀レイクス
-0.5億
ファイティングイーグルス名古屋
-0.5億
茨城ロボッツ
-0.6億
川崎ブレイブサンダース
-0.7億
大阪エヴェッサ
-1.8億
長崎ヴェルカ
-7.3億

黒字トップ3の共通点

01
千葉ジェッツ
売上 51.7億 / 純利益 +4.2億
+4.9億
利益率 9.5%
02
琉球ゴールデンキングス
売上 35.7億 / 純利益 +3.3億
+4.6億
利益率 12.9%
03
島根スサノオマジック
売上 21.3億 / 純利益 +1.6億
+3.1億
利益率 14.6%

黒字上位3クラブには共通のパターンがある。千葉ジェッツはLaLa arenaによる収容力拡大で売上51.7億を実現しながら利益率9.5%を維持。琉球ゴールデンキングスは沖縄アリーナ(10,000席)と地域密着の集客で利益率12.9%。そして最も注目すべきは島根スサノオマジックの14.6%だ。売上21.3億と規模では中位でありながら、コスト管理と安定した観客動員で最高利益率を達成している。「大きく稼ぐ」より「賢く稼ぐ」モデルの成功例だ。

長崎ヴェルカ -7.3億の謎

売上
16.4億
営業利益
−7.3億
純利益
±0.0億

営業損失-7.3億(損失率44.5%)でありながら純損益がほぼゼロ。この乖離は7億円超の営業外収益が存在することを意味する。長崎ヴェルカは2024年2月にBプレミア参入承認、同年にハピネスアリーナ(5,813席)を開業した。アリーナ開業に伴う大規模投資の先行費用が営業損失を生み、一方で株主や自治体からの資本性支援(補助金・出資金等)が純損益をゼロに押し上げたと推測される。

これは長崎に限った現象ではない。アリーナ整備期にある複数クラブが同様の構造を持つ可能性がある。一次資料としての営業利益だけを見てクラブの財務を判断する際には、こうした文脈を考慮する必要がある。

Bプレミアキャップ導入後の収益性変化

2024-25シーズンで人件費が8億円超だった11クラブは、Bプレミア移行時にキャップ内への削減を迫られる。選手人件費の削減は費用圧縮につながり、理論上は営業利益を改善させる。

クラブ現行OI人件費削減OI改善幅
千葉ジェッツ+4.9億−7.3億+12.2億
琉球ゴールデンキングス+4.6億−2.8億+7.4億
島根スサノオマジック+3.1億−0.9億+4.0億
宇都宮ブレックス+1.8億−4.7億+6.5億
群馬クレインサンダーズ+1.4億−2.2億+3.6億
サンロッカーズ渋谷+0.3億−3.9億+4.2億
アルバルク東京+0.0億−6.5億+6.5億
シーホース三河-0.4億−3.0億+2.6億
広島ドラゴンフライズ-0.4億−1.7億+1.3億
長崎ヴェルカ-7.3億−1.9億-5.4億

※人件費を上限(8億)まで削減した場合の試算。スター選手例外条項・その他経費変動は考慮せず。実際のキャップ適用は選手個別の契約に基づく。