Bリーグ 黒字・赤字クラブの全貌 2024-25
B1全24クラブの営業利益・純利益を決算データで完全解析
2024-25シーズン(2025年11月公表)の決算データで、B1全24クラブの収益性を解析した。営業黒字クラブは15社、赤字は8社。リーグ全体の営業利益合計は10.5億円の黒字だが、その中身は極めて二極化している。
最高利益率は島根スサノオマジック(14.6%)。売上規模では中堅でありながら高い収益性を誇る。一方で最大の注目は長崎ヴェルカの営業損失-7.3億円だ。売上16.4億に対して44.5%もの損失率という数字には、新アリーナ投資という構造的背景がある。
3シーズンの財務トレンド
2022-23シーズンはコロナ禍明けにもかかわらず多くのクラブが赤字だった。翌2023-24に劇的な改善が起き、リーグ全体純利益は+11.6億に達した。しかし2024-25では赤字クラブが増加している。これはBプレミアを見据えたアリーナ・設備投資が先行費用として計上されたためと考えられる。
全クラブ 営業利益(2024-25)
中央の縦線がゼロ。右が黒字、左が赤字。
黒字トップ3の共通点
黒字上位3クラブには共通のパターンがある。千葉ジェッツはLaLa arenaによる収容力拡大で売上51.7億を実現しながら利益率9.5%を維持。琉球ゴールデンキングスは沖縄アリーナ(10,000席)と地域密着の集客で利益率12.9%。そして最も注目すべきは島根スサノオマジックの14.6%だ。売上21.3億と規模では中位でありながら、コスト管理と安定した観客動員で最高利益率を達成している。「大きく稼ぐ」より「賢く稼ぐ」モデルの成功例だ。
長崎ヴェルカ -7.3億の謎
営業損失-7.3億(損失率44.5%)でありながら純損益がほぼゼロ。この乖離は7億円超の営業外収益が存在することを意味する。長崎ヴェルカは2024年2月にBプレミア参入承認、同年にハピネスアリーナ(5,813席)を開業した。アリーナ開業に伴う大規模投資の先行費用が営業損失を生み、一方で株主や自治体からの資本性支援(補助金・出資金等)が純損益をゼロに押し上げたと推測される。
これは長崎に限った現象ではない。アリーナ整備期にある複数クラブが同様の構造を持つ可能性がある。一次資料としての営業利益だけを見てクラブの財務を判断する際には、こうした文脈を考慮する必要がある。
Bプレミアキャップ導入後の収益性変化
2024-25シーズンで人件費が8億円超だった11クラブは、Bプレミア移行時にキャップ内への削減を迫られる。選手人件費の削減は費用圧縮につながり、理論上は営業利益を改善させる。
※人件費を上限(8億)まで削減した場合の試算。スター選手例外条項・その他経費変動は考慮せず。実際のキャップ適用は選手個別の契約に基づく。