BLiBLEAGUE INSIDERBUSINESS INTELLIGENCE

REPORT / 2026-27

外から打つ回数は、ほとんど変わらない。差がついたのは中だった

開幕から3週間、152試合が終わりました。外から打つ回数で差がついているのだろう、と思いながら数字を見ていました。ただ、そうはなっていません。見込みを上回っている10クラブと下回っている11クラブで、3ポイントを打つ本数はほとんど同じです。はっきり差が出ていたのは、ゴール下でした。前回の振り返りは各クラブ2試合の時点で、どのクラブも同じ相手との2連戦しか終えておらず、クラブ同士を比べる意味がありませんでした。いまは1クラブあたり2〜5の相手と戦っています。「このクラブはどうか」が、ようやく言えるようになりました。

ペイント内の得点差
+15.4点
上振れ10クラブと下振れ11クラブの、相手との差の平均
3ポイント試投の差
-0.5本
同じ2群。外から打つ回数はほとんど変わらない
3Qのリードを追いついた
24/152試合
最大は富山。20点差を詰めて勝った
5点差以内で終わった試合
23.7%
過去10シーズンは24.9%。延長は7.2%に増えたが、接戦の割合は動いていない
01

分かれ目は、外ではなく中にあった

3ポイントの本数は0.5本しか違わない。ペイント内は15.4点違った

いちばん大きく違ったのは、ペイント内の得点でした。見込みを上回っている10クラブは相手より平均9.3点多く取り、下回っている11クラブは6.1点少ない。その差、15.4点です。

ところが、3ポイントを打つ本数の差は0.5本しかありません。上振れ組は相手より1.3本少なく、下振れ組は0.8本少ない。どちらも相手ほど打っていない、という点では同じです。成功数の差も1.6本。外からのシュートでは、2つのグループは分かれていませんでした。

中で差がついたクラブは、ほかの項目でも差をつけています。リバウンドで7.7本、アシストで5.0本、ターンオーバーの少なさで4.1本。すべて同じ向きです。

だから「中で取れたから勝っている」とは書けません。これらは一緒に動くもので、「中で優位に立てているかどうか」という束が、まとめて表に出ていると見るべきものです。どちらが原因かは、この数字からは分かりません。

02

広島は、3ポイントを14本少なく打って6連勝している

外を捨てて中で取り切る。偶然には見えない形

6試合を終えて6勝0敗。開幕前の見込みはほぼ五分(1試合あたり+2.2点)でしたから、実際の+14.2点は大きく外れています。ずれは+12.0で、名古屋Dと並ぶリーグ最大です。

中身が極端です。3ポイントの試投が、相手より1試合あたり14.0本少ない。それでいてペイント内で17.3点、リバウンドで4.7本上回っています。狙ってそうしている形に見えます。

同じ無敗でも、名古屋D(5勝0敗、ずれ+9.4)は別の形です。ペイント内で17.6点上回るのは広島とほぼ同じ。ただし3ポイントの試投は相手並みで、代わりにターンオーバーが8.4本少ない。失わずに攻め切っています。

正反対の形を選んでいるのが佐賀です。3ポイントを相手より4.2本多く打っている。いまは成功が2.5本少なく、ペイント内でも13.7点下回っていますが、確率がどこに落ち着くかは6試合では分かりません。本数を打っているぶん、振れ幅は大きいままです。

03

得点上位40人のうち11人が、夏に加わった選手だった

ただし、点を取る選手がいることと、クラブが勝つことは別

1試合あたりの得点で上位40人を取ると、11人が今季からの新加入でした。4人に1人です。徳島のラポラス・アイヴァナーカスが23.0点、佐賀のナシール・リトルが21.5点、宇都宮のトレイ・ケルが20.8点。

ただし、ここに名前があることと、クラブが勝っていることは一致しません。佐賀はリトルが21.5点を挙げ、3ポイントも17本決めています。それでも白星はまだ1つ。個人の得点とクラブの優劣は、別々に測る必要があります。

選手クラブ平均得点3P
ラウリー・アルキンズ東京SR19.913本
ラポラス・アイヴァナーカス徳島23.011本
ナシール・リトル佐賀21.517本
トレイ・ケル宇都宮20.815本
ジェイク・レイマン仙台17.922本
ヴィック・ロー茨城17.313本
デイミアン・ドットソン佐賀20.08本
ディー・ジェイ・ホグA東京19.820本
今季から加わった選手のうち、2試合の平均得点が高い順。3Pは2試合の成功数。
上振れた10クラブと下振れた11クラブで、3ポイントを打つ本数はほとんど変わらない。違っていたのは、中で取れた点の15.4点だった。
04

3Qのリードは、6試合に1回ひっくり返されている

第3Qだけ、得点が落ちてターンオーバーが増える

152試合のうち24試合で、第3Q終了時に負けていた側が勝ちました。6試合に1回です。

いちばん大きく詰めたのは富山でした。10月9日、東京SR相手に3Q終了時20点差。それを追いついて90-96で勝ち切っています。9月25日には京都が滋賀相手に14点差を詰めて95-94。9月23日の徳島は横浜EXに9点差を詰め、2度の延長の末に93-92。

第3Qだけ、試合の質が少し変わります。1試合1クラブあたりの得点は1Q 20.8点、2Q 20.6点、4Q 20.4点に対して、3Qは19.8点。ターンオーバーは逆に、3Qだけ3.58本と多い(ほかは3.08〜3.27本)。前回の振り返り(各クラブ2試合)でも同じ形が出ていました。試合数が3倍になっても消えていません。

Q1
Q2
Q3
Q4
得点平均 20.4点
20.8
+0.4
20.6
+0.2
19.8
-0.6
20.4
+0.0
ターンオーバー平均 3.3本
3.1
-0.2
3.1
-0.1
3.6
+0.3
3.3
+0.0
1チームあたりの値。棒は4クォーターの平均からの差で、上が平均超え、下が平均割れ。 オレンジは望ましい向き(得点は多いほう、ターンオーバーは少ないほう)。 第3Qだけが、得点は平均割れ・ターンオーバーは平均超えになっている。
10/09東京SR 90-96 富山3Q終了 74-54(20点差)
09/25京都 95-94 滋賀3Q終了 66-80(14点差)
09/23徳島 93-92 横浜EX3Q終了 47-56(9点差)
10/03福島 95-104 愛媛3Q終了 74-66(8点差)
10/08神戸 94-86 千葉J3Q終了 61-69(8点差)
09/27宇都宮 71-74 横浜BC3Q終了 56-49(7点差)
09/27愛媛 95-96 青森3Q終了 69-62(7点差)
10/08長崎 74-71 信州3Q終了 50-56(6点差)
10/04東京SR 86-76 秋田3Q終了 54-59(5点差)
09/27奈良 99-88 福島3Q終了 67-71(4点差)
10/03A千葉 99-90 川崎3Q終了 69-73(4点差)
10/10FE名古屋 83-91 徳島3Q終了 65-62(3点差)
09/27仙台 73-75 秋田3Q終了 52-50(2点差)
10/02千葉J 131-138 A東京3Q終了 73-71(2点差)
10/04香川 75-72 福岡3Q終了 56-58(2点差)
10/07仙台 81-74 A千葉3Q終了 51-53(2点差)
10/09京都 74-73 横浜BC3Q終了 54-56(2点差)
10/09東京Z 84-80 八王子3Q終了 51-53(2点差)
10/11東京SR 68-70 仙台3Q終了 57-55(2点差)
09/26新潟 69-72 金沢3Q終了 50-49(1点差)
10/03群馬 72-71 茨城3Q終了 59-60(1点差)
10/03岐阜 81-82 新潟3Q終了 63-62(1点差)
10/04立川 86-94 熊本3Q終了 65-64(1点差)
10/10信州 81-83 三遠3Q終了 56-55(1点差)
05

延長が、過去10シーズンのどの年より多い

7.2%。ただし、最後まで分からない試合の割合は増えていない

152試合のうち11試合が延長にもつれました。7.2%です。10月2日の千葉J対A東京は4度の延長で131-138。10月10日の広島対滋賀は3度の延長で111-105。

2016-17以降の10シーズンでは、延長の割合は4.1%でした(14,283試合中592試合)。最も多かった2023-24でも5.4%、最も少なかった2021-22は2.9%。今季はどの年よりも高い。

運営や放映の側から見ると、延びたのは時間です。今季の延長は11試合で合計18ピリオド、追加のプレー時間は90分。1試合あたりに均すと+0.59分で、過去10シーズンの+0.25分の2倍を超えています。

ところが、接戦そのものは増えていません。5点差以内で終わった試合は152試合中36試合、23.7%。過去10シーズンの24.9%とほとんど同じです。延長が増えた一方で、最後まで分からない試合の割合は動いていない。

だから、今季の延長の多さは偶然の範囲で説明がつきます。過去10季の割合がそのまま続くとして、152試合で11試合以上が延長になる確率は5.2%。珍しくはありますが、届かない数字ではありません。

06

対戦相手はまだ2〜5クラブ。ここまでが、いま言えること

次の節目は各クラブ10試合

クラブ同士を比べられるようになったのは、今回が初めてです。前回(各クラブ2試合)はどのクラブも同じ相手との2連戦しか終えておらず、クラブごとのずれは相手の鏡像にしかなりませんでした。今回は独立したカードが90あります。

とはいえ、1クラブあたりの対戦相手はまだ2〜5。厳しい相手と当たり続けたクラブと、そうでないクラブがいます。ここで出した「ずれ」は、その影響を除いていません。

次の節目は各クラブ10試合です。同じ切り口をもう一度当てれば、今回見えたものが残るのか、3週間だけのものだったのかが分かります。外れていたら、そのまま残します。

DATA / 記事のもとになった数字

どこで切ると差が出るか

クラブを並べ替えるのではなく、いくつかの切り口でまとめた平均です。右の小さい数字は群に入るクラブ数。

リーグ
B.ONE
+0.125
B.PREMIER
+0.026
地区
西地区
+0.418
北地区
+0.35
東地区
+0.318
中地区
-0.45
南地区
-1.65
前季の区分
前季 B3
+1.311
前季 B1
+0.726
前季 B2
-2.014
前季の順位帯
前季 中位
+0.819
前季 下位
-0.315
前季 上位
-0.417
オフの出入り
大きく流出
+0.815
小さい出入り
-0.021
大きく補強
-0.415
前季の平均入場者数
集客 中位
+1.217
集客 下位
+0.216
集客 上位
-1.118
営業収入
開示ベース(2024-25)。B1 のクラブのみ
収入 下位
+2.27
収入 中位
+0.68
収入 上位
-0.39
人件費
開示ベース(2024-25)。B1 のクラブのみ
人件費 中位
+2.48
人件費 下位
+0.47
人件費 上位
-0.69

ずれが大きかったカード

岩手vs青森10-03 A 102-66 / 10-04 A 86-61実際 +30.5 / 見込み +4.5+25.9
宇都宮vs秋田10-11 H 71-82実際 -11.0 / 見込み +14.4-25.4
奈良vs東京U10-09 H 59-90 / 10-10 H 66-90実際 -27.5 / 見込み -4.2-23.3
群馬vs長崎10-10 A 59-70実際 -11.0 / 見込み +12.2-23.2
FE名古屋vs山形10-03 A 118-72 / 10-04 A 92-82実際 +28.0 / 見込み +4.9+23.1
三河vs大阪10-03 A 76-57 / 10-04 A 101-57実際 +31.5 / 見込み +8.8+22.6
佐賀vs広島09-25 H 87-100 / 09-27 H 61-89実際 -20.5 / 見込み +2.0-22.4
島根vs長崎09-23 A 89-64 / 09-25 A 85-78実際 +16.0 / 見込み -5.3+21.3

クラブ別

クラブ戦績得失点見込みずれ
岩手5勝1敗+12.7+0.4+12.2
広島6勝0敗+14.2+2.2+12.0
東京U4勝2敗+13.7+3.5+10.1
徳島5勝1敗+7.3-2.6+9.9
熊本5勝1敗+17.2+7.6+9.6
名古屋D5勝0敗+15.2+5.8+9.4
横浜EX3勝1敗+15.3+5.9+9.3
福岡3勝3敗+6.5-0.9+7.5
A東京5勝1敗+10.0+3.0+7.0
三遠5勝0敗+11.2+5.0+6.2
島根3勝3敗+0.2-5.6+5.7
富山4勝3敗+0.9-4.7+5.5
越谷5勝1敗+14.8+9.5+5.3
滋賀2勝4敗+1.5-3.6+5.1
三河4勝2敗+8.0+4.3+3.7
横浜BC3勝3敗+0.5-3.1+3.6
岐阜1勝5敗-4.0-7.0+3.0
FE名古屋3勝3敗+5.5+2.7+2.8
東京SR4勝3敗+6.7+4.2+2.5
岡山2勝4敗-4.3-6.9+2.5
秋田2勝4敗-9.3-11.7+2.4
京都5勝2敗+3.9+1.6+2.2
金沢3勝3敗-0.2-1.5+1.3
八王子3勝1敗+2.0+0.8+1.2
埼玉3勝3敗+2.5+1.9+0.6
福島4勝2敗+5.7+5.1+0.6
茨城0勝7敗-7.3-7.8+0.5
北海道3勝3敗+0.7+0.6+0.1
仙台4勝3敗+4.9+5.2-0.4
東京Z3勝3敗-3.8-3.0-0.8
信州2勝4敗-0.5+0.4-0.9
静岡3勝3敗-4.2-2.9-1.3
立川1勝3敗-5.5-4.1-1.4
琉球3勝3敗-1.5+2.1-3.6
A千葉2勝5敗-7.6-3.8-3.8
群馬5勝1敗+7.3+11.8-4.5
宇都宮3勝3敗+3.2+8.4-5.2
川崎2勝4敗-8.2-2.8-5.4
大阪1勝5敗-12.5-6.8-5.7
新潟2勝4敗-6.0-0.3-5.7
青森2勝4敗-12.2-6.1-6.1
香川2勝4敗-9.3-2.4-6.9
千葉J2勝4敗-7.5-0.5-7.0
鹿児島2勝4敗-10.5-3.0-7.5
長崎2勝4敗-8.5-0.9-7.6
神戸2勝4敗-6.2+2.3-8.5
福井3勝3敗-6.0+3.9-9.9
山形1勝5敗-12.7-2.2-10.5
愛媛3勝3敗-3.7+7.1-10.8
奈良1勝5敗-16.8-4.8-12.0
佐賀1勝5敗-15.0-2.8-12.2

「見込み」は各試合の公開時点で凍結した推定点差です。結果に合わせて作り直していません。 ずれは実力ではなく、あくまで推定との差です。予測の的中記録 →他の特集記事 →