名古屋Dが引き出すターンオーバーは、リーグ平均より7回多い
名古屋ダイヤモンドドルフィンズが開幕から負けていない。しかも7試合すべてアウェイで、 ホーム初戦は10月30日まで来ない。 何が効いているのか。効率差+23.4はリーグ1位で、守備効率96.2も1位。 ところが相手のシュートは入っている(被eFG% 52.7%は18位タイ)。 止めているのはシュートではなかった。
- 01開幕から7戦全勝。7試合すべてアウェイで、IGアリーナでのホーム初戦は10月30日の滋賀戦
- 02効率差+23.4はリーグ1位。2位のシーホース三河(+17.9)とも5点以上離れている
- 03守備効率96.2も1位。ただし被eFG%は52.7%で18位タイ——相手のシュートは入っている
- 04相手に起こさせたターンオーバーは1試合19.7回。リーグ平均12.6回より7回多く、2位の滋賀(17.0回)も離す。相手の攻撃のおよそ4回に1回が、シュートを打たずに終わっている
- 05攻撃は3ポイントに頼っていない。試投に占める割合39.5%は20位、成功率30.9%は16位。それでeFG%は54.9%で5位
7連勝、まだ一度もホームで戦っていない
9月26日の川崎戦から10月21日の宇都宮戦まで、名古屋ダイヤモンドドルフィンズは7試合を戦って7勝。 そのすべてが相手の体育館だった。ホームゲームは1試合もまだ無い。IGアリーナでの初戦は10月30日の滋賀レイクス戦で、開幕から5週間が経つ。
7試合の平均点差は17.1点。いちばん競ったのが10点差で、残りはすべて二桁で離している。
効率差+23.4は、2位を5点以上引き離す
1試合の平均得点で並べると、速い試合をするクラブが上に来る。攻撃の回数が多ければ、同じ中身でも点は増えるからだ。 そこで攻撃効率と守備効率—— 100回の攻撃あたりで取った点と許した点——で見る。
効率差+23.4は、2位のシーホース三河(+17.9)とも5点以上離れている。 リーグの中央値は+0.6だから、1回の攻撃あたりで0.23点ずつ上回っている計算になる。では、攻撃と守備のどちらが効いているのか。
守備効率は1位。ただし相手のシュートは入っている
守備効率96.2はリーグ1位で、中央値の109.0を大きく下回る。 ふつうに考えれば、相手のシュートを落とさせているということになる。 ところが被eFG%は52.7%で18位タイ——リーグの下から数えたほうが早い。
図1守備効率が良いのに、相手のシュートは入っている
- ふつう、この2つは一緒に動く。相手のシュートが入らなければ守備効率は良くなる
- 名古屋Dは左上ではなく右上にいる。相手のシュートは入っているのに、許した点は少ない
- ⚠️ 守備効率はポゼッション(攻撃回数)の推定を分母にしているので推定値。試合数が少ないうちは振れる
シュートが入っているのに失点が少ない。 つまり、相手がシュートまで辿り着いていないということになる。
相手の攻撃が、4回に1回シュートまで行かない
名古屋Dが相手に起こさせているターンオーバーは1試合19.7回。 リーグ平均は12.6回だから、7回多い。 2位の滋賀レイクス(17回)とも離れている。
図2相手に起こさせたターンオーバー(1試合平均)
- 名古屋Dの19.7回のうち、スティールは10.3回(52%)。残りはパスミスやトラベリングなど
- ⚠️ 試合数はクラブによって違う(7〜11試合)。対戦相手も揃っていない
攻撃回数に対する割合で見ると25.6%。相手の攻撃のおよそ4回に1回が、シュートを打たずに終わっている。被eFG%が18位タイでも失点が少ない理由はここにある。シュートを落とさせているのではなく、 シュートの機会そのものを減らしている。
奪ったあとも速い。19.7回のうち10.3回がスティールで、 そこから攻撃回数が増える。守備が攻撃効率119.7(4位)を押し上げている面もある。
攻撃は3ポイントに頼っていない
攻撃側は、いまのバスケットボールの流れとは逆を向いている。 試投に占める3ポイントの割合は39.5%で20位、成功率30.9%も16位。 よく打っているわけでも、よく入っているわけでもない。
それでもeFG%は54.9%で5位にいる。2点のシュートで効率を作っている形だ。 ⚠️ ここは見立てだが、ターンオーバーから走る攻撃が多ければ、ゴール近くのシュートは増える。リーグ全体がミドルレンジを捨てて3点へ寄せてきた10年の中では、珍しい形に見える。
クォーターに割ると、1Qで守り、3Qで離す
同じ数字を時間で割ると、もう1つ見えるものがある。
- 延長は4Qに含まない(試合合計の行に入るため)
- ⚠️ 前半戦の順位が後半戦も続きやすいのは1Qで、4Qはいちばん振れる(B1の6季で、前後半の相関は1Q r=0.62・4Q r=0.41)。この表は1Qの欄がいちばん当てになる
1Qの失点18はリーグ1位。入りで相手を止めて、3Qの得点25(1位)で離す。 4Qの得点20.7は13位まで落ちるが、そこはもう点差がついている時間帯だ。
次に見るなら、10月30日の初ホーム
ここまでの7試合は、全部が相手の体育館だった。 10月30日、IGアリーナでの初戦が滋賀レイクス戦。相手にターンオーバーを起こさせる数が、ホームで変わるかどうかが見どころになる。 声の大きさは、ボールを運ぶ側の判断に効く。
見る場所は2つ。1つは、相手がフロントコートへボールを運ぶところ。 そこで名古屋Dの手が出て、タイムアウトが早い時間に来るかどうか。 もう1つは1Qの失点。18点台で終えれば、ここまでと同じ入り方ができている。
確かめられていないこと
- 7試合しかない。この段階の数字は大きく振れる
- 当たった5クラブの効率差は −7.6 〜 +2.1 で、平均を下回る相手が多かった。日程の厳しさは考慮していない
- 10月22日以降の試合結果は、B.LEAGUE 公式サイトに反映されていない。 同サイトは2026年10月21日23時頃から緊急メンテナンス中で、 「閲覧できた場合でも、試合結果を含む最新情報が反映されない場合がございます」と告知されている。 公式の順位表も「2026年10月21日 全試合終了時点」のままで、この記事の7試合と一致する
- ポゼッション(攻撃回数)は試合記録から直接は取れず推定値。効率もしたがって推定
- なぜターンオーバーを起こさせられているのか(守り方・当て方)は、この数字からは分からない