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スタッツ3ポイント得点B.PREMIER2026.10.20

3Pは1.3倍打たれるようになった。入る確率は、むしろ下がった

得点の中身を10季ぶん割る。そして今季ここまで

約7分で読了
SUMMARYこの記事のポイント
  • 011クラブ1試合あたりの3点試投は21.8本から28.5本へ1.31倍。試投に占める割合は34.1%から42.2%へ
  • 02ところが3点の成功率は33.3%から31.9%へ下がった。今季は11季でいちばん低い
  • 03代わりに2点の成功率が48.8%から53.9%へ上がった。こちらは11季でいちばん高い
  • 041本あたりの期待値は3点0.957、2点1.078。⚠️ 単純に比べると2点のほうが得で、2018-19以降ずっとそうなっている
  • 05⚠️ ただしこの比較は「3点を撃つからゴール下が空く」関係を無視している。2点の成功率が上がったこと自体が、3点を増やした結果かもしれない
  • 06今季は得点83.8・攻撃回数77.9・フリースロー率29.8%がいずれも11季で最多。速く、ファウルが多く、3点が入っていない

3ポイントが増えた、という話は誰でも知っている。知られていないのは、入る確率のほうだ。

各季の開幕8試合で揃えて数えると、 3点の試投は1.31倍になった。そして成功率は33.3%から31.9%へ、下がっている。

3点は1.31倍打たれるようになった

まず本数から。1クラブの1試合あたり、3点の試投は21.8本から28.5本へ。2点は42.2本から39.1本に減っている。 試投全体に占める3点の割合は34.1%から42.2%になった。

図11クラブ1試合あたりの試投本数(各季の開幕8試合)

濃い線が3点、薄い線が2点。2本の線が近づいてきていることを見てほしい。

0102030402点 39.1本3点 28.5本16-1719-2022-2325-2626-27縦軸:1試合あたりの試投(本)横軸:シーズン
指標試投本数 — 1クラブの1試合あたりの3点試投と2点試投(本)
出典本サイトの試合データベース(ボックススコア)
対象各季の開幕8試合・B.PREMIER(旧B1)のリーグ戦
備考
  • ⚠️ 今季は消化が途中。季をまたいで比べるため、どの季も開幕8試合だけを取っている
  • 延長戦があると試投が増える。試合合計で数えているので、その分は入る

ところが、入る確率は上がっていない

これだけ打つようになったのだから、上手くなったのだろう—— と思って成功率を見ると、そうなっていない。3点は33.3%から31.9%へ、1.4ポイント下がった。

上がったのは2点のほうだった。48.8%から53.9%へ、5.1ポイント。しかも今季の53.9%は11季でいちばん高い。

図2成功率の推移(%、各季の開幕8試合)

上の線が2点、下の線が3点。上は上がり、下は横ばいか下がっていることを見てほしい。

3035404550552点 53.9%3点 31.9%16-1719-2022-2325-2626-27縦軸:成功率(%)横軸:シーズン
指標成功率 — 成功数 ÷ 試投数(%)。クラブ1つの1試合ごとに出して平均した
出典本サイトの試合データベース(ボックススコア)
対象各季の開幕8試合・B.PREMIER(旧B1)のリーグ戦
備考
  • ⚠️ 縦軸は28%から始まる。0からではないので、線の上下の差は実際の比より大きく見える
  • ⚠️ 2点にはゴール下もミドルレンジも混ざっている。平均は、その中身の違いを消してしまう

1本あたりで比べると、2点のほうが得だった

成功率に点数を掛ければ、1本あたりに期待できる得点が出る。 今季は3点が0.957点、2点が1.078点。2点のほうが0.121点ぶん多い。

しかもこれは今季だけの話ではない。2018-19以降、ずっと2点のほうが上だ。その間ずっと、3点の本数は増え続けている。

図31本あたりに期待できる得点(各季の開幕8試合)

成功率 × 得点。線が上にあるほうが「1本撃ったときに取れる点が多い」。2018-19を境に2点が上になり、差が開いていることを見てほしい。

2016-173点 0.999 / 2点 0.976
2017-183点 1.026 / 2点 0.95
2018-193点 0.978 / 2点 0.998
2019-203点 0.981 / 2点 1.03
2020-213点 0.978 / 2点 1.04
2021-223点 1.032 / 2点 1.038
2022-233点 0.981 / 2点 1.044
2023-243点 0.999 / 2点 1.028
2024-253点 0.966 / 2点 1.034
2025-263点 0.978 / 2点 1.064
2026-273点 0.957 / 2点 1.078
3点2点
指標1本あたりに期待できる得点 — 3点は 成功率×3、2点は 成功率×2
出典本サイトの試合データベース(ボックススコア)
対象各季の開幕8試合・B.PREMIER(旧B1)のリーグ戦
備考
  • ⚠️ フリースローを得る効果は入っていない。2点の試みのほうがファウルを誘いやすい
  • ⚠️ オフェンスリバウンドの違いも入っていない。3点の外れはリバウンドが長く跳ねる
  • ⚠️ そして最も大きいのは次の節で書く。この比較は「3点を撃つから2点が入る」関係を無視している

それでも3点が増えるのは、なぜか

⚠️ ここで「だから3点は損だ」と書くと、間違える。この比較には、決定的なものが抜けている。

2点の成功率が48.8%から53.9%へ上がったのは、 選手が急にシュートが上手くなったからではないだろう。3点を撃つ人がコートに広がれば、守る側も外へ出る。 すると、ゴール下が空く。2点の中身が、遠いミドルレンジから近いゴール下へ移った可能性が高い。

だとすると、話が逆になる。3点が2点を楽にしている。3点を減らせば2点の成功率も下がるので、 「2点のほうが期待値が高いから2点を増やそう」は成り立たない。

⚠️ これは確かめていない。 確かめるにはシュートの位置(ゴール下かミドルレンジか)のデータが要るが、リーグのボックススコアには位置が入っていない。ここから先は、こちらのデータでは追えない。

今季ここまで — 速く、ファウルが多く、3点が入らない

今季の8試合を、11季の中に置いてみる。3つが11季でいちばんになった。

得点
83.8点
昨季同時期 81点
11季で1番目に多い
攻撃回数
77.9回
昨季同時期 76.3回
11季で1番目に多い
フリースロー率
29.8%
昨季同時期 26.7%
11季で1番目に高い
3点の成功率
31.9%
昨季同時期 32.6%
11季で1番目に低い
指標攻撃回数 — 2点試投+3点試投−オフェンスリバウンド+ターンオーバー+0.44×フリースロー試投。フリースロー率は フリースロー試投 ÷ フィールドゴール試投
出典本サイトの試合データベース(ボックススコア)
対象各季の開幕8試合・B.PREMIER(旧B1)のリーグ戦
備考
  • ⚠️ 8試合は短い。開幕直後は守備の仕上がりが遅く、得点も攻撃回数も高く出やすい
  • ⚠️ 今季から外国籍の同時出場の制限が外れた。インサイドの人数が変わればファウルの数も変わるが、確かめていない

速くなり、ファウルが増え、3点は入っていない。 この3つが同時に起きているなら、攻めがゴールに近いところへ寄っていると読むのが自然だろう。 外国籍の出場時間が1試合8分増えた ことと、向きは合っている。

筆者の見立て — 3点は得点手段ではなく、場所を空ける道具

ここからは見立てになる。 10年のあいだ、3点の成功率は上がらなかったのに本数だけ増え続けた。これは「3点で点を取る」ためではなく、 「3点を撃つ構えを見せて、中を空ける」ためだと考えている。

だとすれば、3点の成功率を見て良し悪しを言うのは、半分しか見ていない。その季に2点の成功率がどうなったかと、セットで見る必要がある。今季の3点31.9%は11季で最低だが、2点は53.9%で最高だ。 この2つは、たぶん同じことの裏と表になる。

確かめられていないこと

  • ⚠️ 今季は消化が途中。季をまたいで比べる図は、各季の開幕8試合だけで揃えている
  • ⚠️ 1本あたりの期待値は、成功率×得点をそのまま掛けただけのもの。⚠️ 3Pを撃つからゴール下が空く、という関係は入っていない
  • ⚠️ 2点試投には、ゴール下もミドルレンジも混ざっている。平均は中身の違いを消す
  • ⚠️ B.PREMIER(旧B1)のリーグ戦のみ。延長戦は試合合計に含まれる
  • ⚠️ 「3点が2点を楽にしている」は見立てで、確かめていない。確かめるにはシュートの位置が要るが、リーグのボックススコアには入っていない
  • クラブ別に見ていない。リーグ平均は、3点を多投するクラブとそうでないクラブを混ぜている
  • ルール・用具・コートの規格が10季で変わっていないかを確認していない

次に見るなら、どこか

次の試合、3点が外れたあとに何が起きるかを見てほしい。長いリバウンドを誰が取るか、そこから速攻に出られるか。 3点の価値は、入った本数だけでは測れない。

今季の起用の変化は こちらの記事、 クラブごとの攻守の効率は 指標ランキング、 勝敗は 順位表 にある。

出典:本サイトの試合データベース(B.LEAGUE 公式のボックススコアから、2016-17〜2026-27のB1/B.PREMIERリーグ戦)。