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オンザコート外国籍枠Bプレミア出場時間身長2026.10.12

削られたのは、日本人のビッグマンではなかった

オンザコートフリー初年度、コートから減ったのは189cm以下の時間だった

約5分で読了
SUMMARYこの記事のポイント
  • 01日本人ビッグマン(198cm以上)の出場時間は、日本人の時間に占める割合で14.0%から19.7%へ増えた。削られるという予想とは逆
  • 02代わりに減ったのは189cm以下で、全体シェアが37.7%から29.9%へ7.8ポイント落ちた。増えたのは195〜199cmの7.5ポイント
  • 03外国籍のシェアは43.8%で過去最高。ただし前年差+3.6は過去9回の範囲内で、大きいほうから4番目。上昇はもともと続いていた
  • 04比べられるのは2季ぶんで、今季はまだ80試合。10試合・20試合の節目で測り直す

今季から、コートに立てる外国籍選手の人数制限が無くなった。 いちばん心配されていたのは、日本人のビッグマンである。 外国籍が出られない時間帯を埋めてきた彼らの出番が、まっさきに消えるのではないか——。

全員の身長を公式の選手ページから取り直して、出場時間を身長帯で割ってみた。 ただ、数字はそうなっていない。日本人ビッグマンの時間は、むしろ増えている。減っていたのは、もっと小さい選手たちだった。

外国籍の時間は増えた。ただし2018-19のほうが大きく動いていた

1部相当のリーグ戦のみ(今季はBプレミア、それ以前はB1)。帰化選手は日本人として数えている。

今季、出場時間の43.8%を外国籍選手が占めている。2016-17は22.7%だった。10年で約2倍、当サイトが持つ11季で最も高い。

制度が変わった季だけ大きく跳ねていれば、話は早い。ただ、前年差を並べるとそうは見えない。 今季は+3.6ポイントで、過去9回の-1.4〜+6.1(平均+1.9)の範囲にすっぽり収まる。 大きいほうから4番目。2018-19の+6.1、 2017-18の+5.5、2021-22の+4.8のほうが大きい。

2017-18+5.5
2018-19+6.1
2019-20+0.8
2020-21-1.1
2021-22+4.8
2022-23-0.2
2023-24+2.1
2024-25+0.9
2025-26-1.4
2026-27+3.6

外国籍の出場時間は、制度が変わる前から上がり続けていた。今季の上がり方は、その流れの中にある。 ただし今季はまだ80試合。前季の780試合と並べるには早い。

減ったのは189cm以下。増えたのは195〜199cm

では、増えた時間はどこから来たのか。身長帯で割ってみると、動きははっきりしていた。

身長帯前季からの動き(ポイント)差
〜189cm-7.8
190-194cm+1.3
195-199cm+7.5
200-204cm+0.7
205cm〜-1.8
2025-26(780試合)から 2026-27(80試合)への差。 身長が分かる出場時間のなかでのシェア。両季とも日本人・外国籍ともカバー率100%。

いちばん落ちたのが〜189cmの-7.8ポイント。37.7%から29.9%になった。 逆にいちばん伸びたのが195-199cmの+7.5ポイントで、10.8%から18.3%。

コートの平均身長が上がった、という話ではない。205cm以上はむしろ-1.8で減っている。 動いたのは真ん中より下だ。小さい選手の時間が、その少し上の層に移った。

日本人ビッグマンは、削られるどころか増えていた

心配されていた当人たちはどうか。198cm以上の日本人選手が、日本人の出場時間に占める割合を出した。

日本人ビッグマン(198cm+)
14.0%→19.7%+5.7
日本人の時間に占める割合
日本人ビッグマン(198cm+)
8.3%→11.0%+2.7
全体に占める割合

日本人の時間のうち、ビッグマンが占めるのは14.0%から19.7%へ。 線を200cmに引き直しても、12.3%から16.7%で向きは変わらない。 増えている。

外国籍のビッグマンは32.4%から31.4%で、ほぼ動いていない。 つまり、外国籍が増えたぶんは大型の選手で埋められたわけではなく、 もっと外のポジションに入っている。そのぶん押し出されたのが、日本人の小さい選手だった—— と読むのが、いまの数字といちばん整合する。

ここで止めておきたい。これは2季を1回比べただけの話である。 身長のカバー率が日本人・外国籍の両方で95%を超えるのは2025-26と2026-27しかない。 それ以前は引退した選手が選手データに残っておらず、欠け方が偏る。だから並べていない。

筆者の見立て — ポジションの縛りを外すことが、狙いの一つだったのではないか

AUTHOR'S VIEW

ここからは数字ではなく、筆者の見立てである。 前季までは、コートに立てる外国籍が2名までだったので、どのポジションに置くかを クラブは選ばされていた。多くはフロントコートに置く。そのぶん日本人のビッグマンには 実戦の時間が回ってこない、という話は以前から言われてきた。ポジションに関係なく外国籍を入れられるようにして、すべてのポジションのレベルを 上げていきたかった——制度を変えた狙いには、それもあったのではないかと見ている。

公式の説明にあるのは「高い競技環境の実現、個の成長を促す」までで、 ポジションのことは書かれていない。だからこれは読みであって、裏が取れた話ではない。

ただ、今季ここまでの数字は、この読みと逆ではない。 日本人ビッグマンの時間は14.0%から19.7%へ増え、減ったのは〜189cmだった。 外国籍が外のポジションにも入るようになったぶん、 日本人の側で残ったのは大きい選手のほうだった、と読める。 2季を1回比べただけなので、ここから先は節目ごとに確かめていく。

この記事が外れていたら、どこで分かるか

80試合は少ない。先に、どこを見れば外れたと分かるかを書いておく。

  • 各クラブ10試合・20試合の節目で、日本人ビッグマンの19.7%が14.0%へ戻るか
  • 〜189cmの落ち込みが続くのか、開幕のローテーションが落ち着いて戻るのか
  • この動きが一部のクラブのものか、リーグ全体のものか

外れていても、この記事の数字は書き換えずに追記する。 制度の中身はBプレミアの外国籍枠・オンザコートに、 クラブごとの効率は指標ランキングにある。

データの注記
  • 国籍の判定は、公式の選手一覧で国籍が「海外」の選手を外国籍とした。帰化選手は日本人として数えている。
  • ロスター登録上の「外国籍枠」とは一致しない。アジア特別枠の選手も外国籍に含む。
  • 2026-27 は B.LEAGUE PREMIER のリーグ戦、それ以前は B1 リーグ戦。リーグの規模も構成も違うので、水準の比較には注意が要る。
  • 2026-27 はシーズン途中の値。試合数を併記している。
  • 身長は B.LEAGUE 公式の選手ページ(/roster_detail/)から取得した値。
  • シェアは「身長が分かる出場時間」のなかでの割合。日本人・外国籍のどちらかで身長の欠けが多い季は、偏りが出るため比較に使っていない。
  • ビッグマンの線引きは身長のみ。役割(ポジション)では切っていない。198cm と 200cm の2本で、線の引き方に結論が左右されないかを確かめられる。
  • 出場時間は B.LEAGUE 公式の試合記録(ボックススコア)。11季・6,123試合。
  • 制度の出典は B.LEAGUE「B.革新の競技に関する制度概要が決定」(2024-02-28)と「アジア特別枠対象拡大のお知らせ」(2024-06-26)。