LAB/RESEARCH/SETTLEMENT 2025-26
決算クラブ経営財務分析2026.10.18

841億円と、8.1億円

2025-26決算を読む。同じ24クラブで+25.5%、赤字は15から13へ

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SUMMARYこの記事のポイント
  • 01B1+B2の営業収入は841.2億円。クラブが増えているので、両季に載っている24クラブで揃えると+25.5%
  • 02当期純損失を出したクラブは15から13に減った。ただしリーグ全体の当期純利益は8.1億円で、収入に対しては薄い
  • 03収入の柱はスポンサーの401.2億円(47.7%)。入場料178.6億円の2.25倍ある
  • 04⚠️ 1位の92.4億円は、うち49.1億円(53.1%)が「その他」。ほかのクラブの売上とそのまま比べられない

2025-26シーズンのクラブ決算が出た。 B1とB2を合わせた営業収入は841.2億円。 前季の数字と並べると 29.1% 増だが、この季はB1が26クラブに増えていて、顔ぶれが違う。

そこで、両方の季に載っている55クラブだけで揃えてみた。 それでも+26.8%だった。 入れ替わりを抜いても伸びた。

同じ55クラブで+26.8%。入れ替わりを抜いても伸びた

リーグ全体の数字は、クラブが増えれば増える。だから前年比だけを見ても分からない。 両季のファイルに載っている55クラブで足し直すと、伸びは+26.8%になる。既存のクラブが、1季で4分の1ほど大きくなった。

B1だけで見ると26クラブで693.9億円、1クラブあたり26.7億円になる。 平均が26億円を超えるリーグになった、ということだ。

赤字は14クラブから13クラブへ減った

B1+B2の営業利益は8.9億円、当期純利益は8.1億円。 収入841.2億円に対する利益なので、薄い。ただ、当期純損失を出したクラブは14から13に減った。

稼いだ分がそのまま出ていく構造は変わっていない。 人件費は306.8億円で、収入の36.5%を占める。 伸びた売上は、利益ではなくコートの上へ向かう。

柱はスポンサーの401.2億円。入場料の2.25倍ある

収入の内訳を見ると、スポンサー収入が401.2億円で全体の47.7%。 入場料収入は178.6億円で21.2%だった。スポンサーが入場料の2.25倍ある。

アリーナが新しくなった話題はチケットの側から語られることが多い。 ただ、事業の重心はいまもスポンサーにある。 新しいアリーナが効くのは席数だけでなく、そこに付くスポンサーの枠のほうかもしれない。

1位の92.4億円は、半分が「その他」だった

図1営業収入の上位10クラブ(2025-26シーズン、億円)

B1・B2・B3を合わせた全55クラブから。 棒の長さは1位を基準にそろえてある。1位だけが抜けていることを見てほしい。

アルバルク東京92.4億
千葉ジェッツ59億
宇都宮ブレックス40.4億
琉球ゴールデンキングス38.6億
東京サンロッカーズ28.6億
群馬クレインサンダーズ28.4億
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ27.9億
シーホース三河26.9億
川崎ブレイブサンダース25.6億
レバンガ北海道24.3億
指標営業収入 — クラブの1シーズン(通期)の売上(億円)。入場料・スポンサー・物販・リーグ配分金・その他を含む
対象2025-26シーズン
備考
  • ⚠️ 内訳の中身がクラブによって違うので、合計だけを並べても同じものを比べたことにはならない。この図の直後で1位の内訳を開いているのは、そのため
  • 決算期がシーズンと一致しないクラブがある(A東京・東京SR・川崎・三河・FE名古屋・名古屋D・大阪・島根・長崎)

ここで、並べたまま渡すわけにいかない数字がある。 1位のアルバルク東京は92.4億円だが、うち49.1億円(53.1%)が「その他」だ。 同じ季の販売費および一般管理費も同じ規模で立っているので、出入りの両側に同じものが通っていると読める。

つまりこの92.4億円を、ほかのクラブの売上とそのまま比べることはできない。 その他の割合が25%を超えるクラブは全体で7ある。 クラブ同士を比べるときは、まず内訳を開くほうがいい。

10季で見ると、先頭は15.78倍になった

開幕季(2016-17)から並べ直すと、伸び方の差がはっきりする。 その他の割合が大きいクラブを外したうえで上位を取ると、次のようになる。

図2開幕季からの営業収入の伸び(倍)

棒の長さは先頭を基準にそろえてある。

群馬クレインサンダーズ15.78倍
鹿児島レブナイズ14.17倍
アルバルク東京13.79倍
神戸ストークス12.29倍
広島ドラゴンフライズ8.37倍
指標伸び — 2025-26の営業収入 ÷ 開幕季の営業収入(倍)
対象2016-17 → 2025-26
備考
  • ⚠️ 両方の季に決算があるクラブだけが対象。途中から加わったクラブは出てこない
  • その他収入が25%を超えるクラブは、本業以外の出入りが混じるため順位づけから外している(アルバルク東京など)

先頭は群馬クレインサンダーズで、1.8億円から28.4億円。15.78倍になった。リーグが5.6倍になるあいだに、それを上回った側だ。 どのクラブも、途中でアリーナか編成のどちらかを動かした。

次に見るなら、どこか

この決算で分かるのは「いくら入って、いくら出たか」までだ。 その先——そのお金が勝率に結びついているかどうかは、別の記事で確かめた。人件費で説明できるのは、勝率の半分だった。

  • 決算期がシーズンと一致しないクラブがある(A東京・東京SR・川崎・三河・FE名古屋・名古屋D・大阪・島根・長崎)。人件費と戦績の期間は厳密には揃っていない
  • 人件費はトップチームぶんのみ。スクールやアリーナを別法人で運営しているクラブは、その分が入らない
  • 物販収入と原価は、クラブごとに販売方法と会計処理が違うため単純比較できない(リーグの注記)
  • 「その他」にはアリーナ事業などの収入が入る。リーグはこれを「夢のアリーナ効果による増加」として、伸びた要因に数えている
  • 表示項目はリーグの統一様式で、クラブの決算書の勘定科目とは異なることがある。端数調整で合計が一致しない箇所がある(リーグの注記)
  • 来場者数はこの開示に含まれていないため、この記事では扱っていない

出典:B.LEAGUE クラブ決算概要(2025-26シーズン)PDF/過去季は 財務データ と同じ公式開示。